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漢方治療の特徴は?
関節痛・腰痛・肩こり・胃腸障害・更年期障害など西洋医学では十分な対処ができない病気や症状が個々の体質にあった漢方薬を使用することで改善することがしばしばあります。例えば膝の痛みであれば西洋医学ではやせた人も筋肉質の人も水ぶとりの人も同じ痛み止めが使われますが、漢方薬は体格、冷え性の有無、体調などを全身的にとらえて処方をきめます。あたかも西洋薬を既製服に例えると漢方薬は仕立て屋さんに服を作ってもらうのに似ています。
私たちは、現在の西洋医学的診断に加え、漢方医学が得意とする“それぞれの体にあったきめ細やかなオーダーメード治療”により患者さんの幅広いニーズにお応えできると確信しています。
痛みに漢方は有効?
膝痛、腰痛には一般的には痛み止めいわゆる消炎鎮痛剤が用いられていますが鎮痛剤はその名のとおり、炎症をおさえて鎮痛効果を発揮するもので、同時に解熱効果を有するものですから高齢者・冷え性や胃腸虚弱などの人が使用を続けると、一時的に楽になったと感じても長く見れば病気を悪くしてしまうことや重篤な副作用を生じることもあるのです。
一方漢方薬はその人の体質にあわせてもっとも効果の高いと考えられる漢方薬を使用するので、ぴったりと合えば意外と劇的に痛みが軽減して、痛み止めより効果が高く、危険もなく鎮痛効果も長続きします。
漢方薬は効果が出るのが遅いのでは?
病気の種類によっても違いますが、急性疾患、例えばカゼの初期で“さむけ”がしたときに、暖かくして、葛根湯を温かいお湯で“さむけ”が落ち着くまで2時間おきくらいにのむと心地よく発汗してカゼはこじらせる前に寛解します。
この時期に体温計で熱があるからと鎮痛解熱剤をあわてて使用すると、発熱という一つの治癒反応を阻害してウイルスがくすぶり、カゼをかえって長引かせます。一方慢性の痛みや病気の場合は、漢方薬を治療の基本として、鎮痛剤などの急場しのぎの西洋薬はどうしても我慢できないときにのみ使用するよう指導しています。
それでも漢方薬使用が適切であれば始めてから3日くらいで症状は軽くなり、遅くても2週間くらいで何らかの効果がでることがほとんどです。さらに漢方薬は冷えがよくなったりお腹の調子が良くなった、体が軽くなったといった鎮痛剤ではえられない効果もしばしば体験されるのが特徴です。